魔法の薬

最近なんだか唇が荒れてます。
睡眠不足と、乾燥と、リップクリームが切れたのが原因だってのはわかっているのですが、どうにもこうにも、一度荒れるとなかなか治らない。
なので、魔法の薬「オロナインH軟膏」をデスクに置きつつ、過ごしているわけです。
もともと乾燥肌の僕は、冬とっても辛い。
すぐにがさがさになって、唇とか指先のつめの周りのとことか、すぐ切れる。
でもってすぐ出血するのですよ。
これがまた痛くて、なかなか治らない。


そこで助けてくれるのが「オロナインH軟膏」です。
決して僕は大塚製薬のまわしもんじゃありませんよ。
なぜこれが魔法の薬かというと、これを塗っておけば必ず治るという確証があるからです。
まぁ、子供の頃からそんな風に親に教育されたってのが一番の理由ですが。
昔怪我したり、がさがさになって血がにじんだり、ニキビをつぶしたりするとすぐ母親が「あんた、そこオロナイン塗っておきなさい」って言ったもんです。
で、一回塗っておけば長くとも3日以内に治ってた記憶があります。
そう、これは魔法の薬なのです。
ウチにはこれしかなかったので、これ以外の薬の効能は全く知りません。
とにかく、ウチはオロナインH軟膏オロナインH軟膏なのです。


そうそう、これはオロナインに関する小学校時代のエピソードですが、隣の家に住んでいたおばあちゃんから、オロナインを買ってくるように頼まれ、そのとき千円もらいました。
おつかいをよくしていた僕でもその頃の千円、つまりお札は大金です。
そのときおばあちゃんは「おつりはお小遣いであげるから好きなもの買いなさい」って。
行く間際、おばちゃんは、「一番小さいサイズのでいいからね」っと言って、僕を送り出しました。
僕が近くの小さな薬屋さんに行って「オロナインください」って言ったら、その店のおばちゃんは、「どのくらいの大きさのが欲しいの?」って聞いたので、僕は「一番小さいのください」って。
で、出てきたモノに、僕はこれっ!?てクビを傾げました。
僕の家にあったオロナインは丸いビンに入ったやつで、こんなチューブ状のは知らん!!、これはオロナインじゃない!!って思ってしまったわけです。
しかもそのチューブ状のは結構安くて、商品よりおつりのほうが多かったのです。
おばあちゃんがこれ頼むわけない、と思い、僕はそれじゃなくて、もう一つ大きい、びんバージョンの一番小さいやつ(30g)を買って家に戻りました。
買ってきた商品を見たおばあちゃんは、「あらずいぶん大きいの買ってきたねぇ〜チューブのやつなかった?」って聞いて、僕はあれもオロナインなのかぁ〜って、子供ながらにすごく勉強になった気がしました。
500円以上あったはずのお小遣いは数百円にとどまり、おばあちゃんのお買い物はすごいなぁって思ったもんです。


それから時は流れ、今僕の目の前にあるオロナインはあの時買ったビンバージョン30g入りのオロナインH軟膏であります。